2009 Fiscal Year Annual Research Report
多機能性医薬素材としてのジアミノピメリン酸類の創製と活性評価
Project/Area Number |
20790104
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
斎藤 有香子 Tohoku Pharmaceutical University, 薬学部, 助手 (30364409)
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Keywords | 有機化学 / アミノ酸 / クロスメタセシス反応 / 生理活性 |
Research Abstract |
meso-ジアミノピメリン酸(DAP)を含有するペプチドグリカンは,細菌特有の構造であり,meso-DAPを含有するペプチド類が制癌作用,免疫賦活剤などに多く見出されている.そこで各種官能基含有DAP誘導体合成を目指し,エポキシ基を持つDAPの合成を検討した. まず,Garnerアルデヒド由来のビニル体とN-Cbz-アリルグリシンベンジルエステルとの第二世代Grubbs触媒によるクロスメタセシス(CM)反応を昨年に引き続き検討し,収率向上を目的として最適な基質の探索を行った.すなわち,Garnerアルデヒドに由来するビニル体の二重結合の末端に,各種官能基(ヒドロキシメチル基,エステル基,メチル基,フェニル基)を導入し,それぞれアリルグリシン類とのCM反応を行った.エステル基,ヒドロキシメチル基においてはカップリング体はほどんど得られなかったが,メチル基では高収率(75%)で目的化合物が得られた.次に得られたカップリング体を加水分解した後,二重結合を足がかりにエポキシ化を検討した.Shi不斉エポキシ化触媒やバナジウムオキシアセチルアセトナートではエポキシ化はほとんど進行しなかったが,MCPBAを用いたところ,エポキシ体とジアステレオマーがそれぞれ28%,21%の収率で得られた.ジアステレオ選択性の向上を期待して基質のヒドロキシ基をTBDMSで保護してから同様にMCPBAでエポキシ化を行ったが,保護しない場合とほぼ同程度の選択性であった.
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