2010 Fiscal Year Annual Research Report
多機能性医薬素材としてのジアミノピメリン酸類の創製と活性評価
Project/Area Number |
20790104
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
斎藤 有香子 東北薬科大学, 薬学部, 助手 (30364409)
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Keywords | 有機化学 / アミノ酸 / クロスメタセシス反応 / 生理活性 / 自然免疫 |
Research Abstract |
meso-ジアミノピメリン酸(DAP)はグラム陰性菌の細胞壁のペプチドグリカンの構成成分であり,meso-DAPを構造中は含む制ガン剤や免疫賦活剤などが見出されている.これまでにクロスメタセシス(CM)を用いたmeso-DAP誘導体の合成とmeso-DAP含有生理活性ペプチドの合成を達成していることから,収率改善を目的としたCM反応の条件検討と,ヒドロキシ基を導入したmeso-DAP誘導体の合成を検討した. (1)Garnerアルデヒド由来のビニル体とアリルグリシン類とのCM反応の条件検討として,種々のグラッブス触媒を用いて反応を行った.その結果,第二世代グラッブス触媒から最も高収率で目的とするヘテロカップリング体が得られることがわかった. (2)それぞれGarnerアルデヒドから誘導できるアリルアルコール体とビニル体を第二世代グラップス触媒によりCM反応を行い,低収率ながらもヘテロカップリング体を得た.低い収率の原因として基質の嵩高さが考えられた.そこでビニル体を加水分解によりビニルグリシノールとしてアリルアルコール体とのCM反応を行ったところ,中程度の収率でヘテロカップリング体が得られた.続いて白金触媒によって水素還元し,加水分解による脱アセタール化の後,TEMPO酸化によりカルボン酸とし,TMSジアゾメタンによってメチルエステル化を行い,目的とする3-ヒドロキシ-meso-DAPを合成した.
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Research Products
(6 results)