2009 Fiscal Year Annual Research Report
5'位修飾型新規ヌクレオシド類縁体によるC型肝炎治療薬の創薬研究
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20790106
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| Research Institution | Otani Womens University |
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Principal Investigator |
池尻 昌宏 Otani Womens University, 薬学部, 講師 (00412396)
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| Keywords | 合成化学 / ウイルス / 核酸 / 薬学 / 有機化学 |
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| Research Abstract |
平成20年度の研究成果から、5'位酸素原子をメチレン鎖に置換したヌクレオシド類縁体においても抗HCV活性を示すことが明らかとなったが、その値は酸素原子を有するものよりは低かった。そこで平成21年度は、5'位修飾型新規ヌクレオシド類縁体のうち、6-クロロプリン-2'-デオキシリボシドの5'位酸素原子はそのまま維持し、その酸素上に様々な置換基(特に共役系化合物)を導入した類縁体の合成、ならびにその抗ウイルス活性について検討した。その結果、5'位水酸基をベンジルオキシカルボニル基でマスクしたものや、ケイ皮酸エステル化したものが、従来型の安息香酸エステル体よりも高い抗HCV活性を示した。また、芳香族上に塩素や臭素等のハロゲン原子を導入したものも効果的な抗HCV活性を示した。その他、フラン等の芳香族複素環の導入も検討した。今回の実験結果から、5'位近傍には、共役系、特に芳香族環やヘテロ原子の導入が効果的であることが明らかとなり、それは、HCVのRNAポリメラーゼ中の脂溶性ポケットへの相互作用が効果的に働いているものと考えられる。これは、Youhoon ChongらがBioorganic&Medicinal Chemistry Letters紙(18巻、4661頁～)にて報告しているdiketoacid(ADK)類縁体の作用部位と関連している可能性も示唆され、興味深い知見である。そのため、このADK類縁体とのハイブリッド化合物への展開は、新規作用メカニズムを示すヌクレオシド類縁体の新たな発展へと繋がることが期待される。今後は、5'位の修飾基として芳香族複素環にさらに着目し、その合成および抗HCV活性について検討していく予定である。
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Research Products
(2 results)
