2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790107
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岩月 正人 Kitasato University, 北里生命科学研究所, 研究員 (70353464)
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Keywords | 三型分泌機構阻害剤 / 微生物培養液 / スクリーニング / 新規テトラペプチド / guadinomine類 / 作用機序 / ビオチン誘導体 / 放線菌KK-88 |
Research Abstract |
前年度に引き続き三型分泌機構阻害剤の探索を微生物代謝産物を対象に行った。本研究で目的としている三型分泌機構を標的とした抗細菌症薬は従来の抗菌薬と異なり菌を殺さずに病態の進行を抑制できると考えられる。そのため従来の抗菌薬の持つ「耐性菌の出現」、「毒素の大量放出」、「正常細菌叢の撹乱」などの問題を克服できると予想される。既に確立済みの評価系で微生物の培養液など約5,000サンプルをスクリーニングした結果、タイ土壌由来放線菌KK-88株の培養液に本活性を見出した。本株培養液について精製を行った結果、三型分泌機構阻害物質として水溶性の高いKK-88物質を単離した。KK-88物質は構造解析の結果、異常アミノ酸を含む新規テトラペプチドであった。本物質は三型分泌機構に依存した溶血反応を選択的に抑制(溶血阻害活性:IC_<50>=1.2μg/mL,抗菌活性:IC_<50>=8μg/mL、選択性7倍)した。さらに糸状菌1株および放線菌2株について培養、精製を進行している。また、既に本系で取得を報告しているguadinomine類についてバリン残基のカルボキシル基よりリンカーを介したビオチン誘導体を調製しており、これを用いた標的タンパク質の探索も進行している。同時にguadinomine類がLB培地の成分によってM9培地上で腸管病原性大腸菌に対する抗菌活性をリバースされることに注目し、その因子を特定する実験も行っている。現在のところ、いずれも候補因子の特定には至っていないが、この因子を明らかにする事はguadinomine類の作用機序を解明することに繋がると考えられる事から、今後引き続き研究し明らかにしていく。
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Research Products
(9 results)