2009 Fiscal Year Annual Research Report
ノロウイルス、サポウイルス受容体の同定及びウイルス感染検出系の構築
Project/Area Number |
20790125
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
岡 智一郎 National Institute of Infectious Diseases, ウイルス第2部, 主任研究官 (50356242)
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Keywords | ウイルス / 感染症 |
Research Abstract |
ヒト急性胃腸炎の原因ウイルスであるノロウイルス、サポウイルスは小腸で感染、増殖すると考えられているが、培養細胞での増殖が出来ず、機能的受容体も同定されていない。そのため、これらのウイルスの感染メカニズムはいまだ不明のままである。最近の研究により、従来ノロウイルスの受容体候補とされた糖鎖は機能的受容体ではない可能性が強くなってきた。そこで、本研究では昨年に引き続き昆虫細胞もしくは哺乳動物細胞で発現させ、超遠心法によって精製したノロウイルス、サポウイルスのウイルス様中空粒子(virus-like particle : VLP)をプローブとして、組換えレトロウイルスの感染によってヒト小腸cDNAライブラリーを発現させたマウス由来浮遊細胞を用いた結合スクリーニングを行い、ノロウイルス、サポウイルスのVLPに結合する細胞の単離を行った。今後、単離した細胞からゲノムを抽出し、ヒト由来遺伝子の塩基配列の解析を進める また、ノロウイルス、サポウイルスと同一の科に属し、培養細胞での増殖が可能なネコカリシウイルス(FCV)について、FCV感染に伴うウイルスプロテアーゼの活性を捉えるバイオセンサー系の開発を行うため、Bioluminescence resonance energy transfer (BRET)の原理を利用したFCVプロテアーゼ活性検出系を構築し、既にFCV阻害活性が明らかなリバビリンの添加によって、FCV増殖阻止を定量的に検出可能なことを示した。この結果により、本研究で構築したBRETセンサー系がFCV増殖阻害物質のスクリーニングに有用であることを示した。今後、公的化合物ライブラリーに対するスクリーニングを実施し、新規なFCV増殖阻害物質の検索を進める。
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Research Products
(3 results)