2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内トラフィッキング制御に基づいた骨粗鬆症治療の可能性検証
Project/Area Number |
20790129
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本間 雅 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (60401072)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨芽細胞 / RANKL / トラフィッキング / リソソーム / Vps33a / ClassC Vps complex / 分泌 |
Research Abstract |
骨芽細胞に発現する膜リガンドRANKLと、破骨細胞前駆細胞に発現する受容体RANKの結合を起点とするシグナルは、破骨細胞の分化・活性化を惹起する主要な経路である。骨芽細胞におけるRANKL分子の細胞内輸送機構を解明し、骨粗鬆症の新規治療標的探索を目的として検討を行った。 まず、ゴルジ体から分泌型リソソームへのRANKL輸送を担うことを我々が見出しているVps33aと、複合体形成して機能すると考えられるVps11, 16, 18に関してRANKLとの相互作用を検討した結果、RANKLとVps16およびVps18との相互作用がVps33aよりも強く検出された一方で, Vps11との相互作用は非常に弱く、RANKL細胞内ドメインと直接相互作用している分子はVps16または18であると考えられた。現在、各Vpsの精製蛋白質を用いて、相互作用様式を詳細に検討している。一方、Vps機能を抑制した際の破骨細胞分化支持能力を詳細に検討したところ、分泌型リソソームへのRANKL移行が阻害され、ゴルジ体にRANKL分子が蓄積する結果、細胞膜表面にリークするRANKL分子の量がむしろ増大することが明らかとなった。そこでさらに探索を進めた結果、分泌型リソソームからの刺激依存性RANKL放出を制御する分子として、Rab27aおよびそのエフェクター分子Slp1, 2-a, Munc13-4部同定した。これらの分子の機能抑制により、RANKLの細胞膜表面への移行は阻害され、破骨細胞分化支持能力は低下することが確認された。現在、Slp1, 2-aのシングル・ノックアウトおよびダブル-ノックアウトマウスの作成を試みており、平成21年度にはこれらの個体の表現系を解析する予定である。
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