2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規癌抗原OFA-iLRPを標的とした肺癌に対する腫瘍特異的免疫療法の検討
Project/Area Number |
20790136
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
阿部 真治 The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 薬剤師 (00403717)
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Keywords | トランスレーショナルリサーチ / 癌 / 免疫療法 / 癌抗原 |
Research Abstract |
腫瘍特異的免疫療法では患者の癌組織に発現している癌抗原を標的とする事が必須であり、新規癌抗原であるOncofetal antigen immature laminin receptor protein(OFA-iLRP)は多くのヒト肺癌細胞株に発現する事より、肺癌に対する腫瘍特異的免疫療法の有望な標的であると考えられる。本研究ではOFA-iLRPを標的とした腫瘍特異的免疫療法の臨床応用の可能性について評価する事を目的としている。 平成20年度は最初にヒト肺癌組織アレイを用い、免疫染色法によって肺癌組織におけるOFA-iLRP発現の検出を行った。この実験ではOFA-iLRPを検出するためにヒト肺癌細胞株においてOFA-iLRPが検出可能であった特異的抗体を用いて検討を行った。その結果、ヒト肺癌組織においてもOFA-iLRPの発現が検出された。特にヒト肺癌細胞株で高発現していた小細胞肺癌、扁平上皮癌の組織においてOFA-iLRPが高発現することが確認された。この結果より、OFA-iLRPが肺癌、特に難治例の多い小細胞肺癌の治療において重要な標的となりうることが証明された。 次にOFA-iLRP特異的抗体を用い抗体依存性細胞障害(ADCC)、ならびに補体依存性細胞障害(CDC)について検討を行った。ターゲット細胞としてOFA-iLRP高発現肺癌細胞株、エフェクター細胞としてヒト単核球細胞を用いADCCの測定を行ったが、今回の検討ではADCC活性は認められなかった。またCDC活性に関しても同様であった。今後、実験条件を変更し、再度検討を行う必要があると考えられる。
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