2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌剤代謝酵素のエピジェネティクス解析による個人差解明
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20790142
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
佐々木 崇光 Tohoku Pharmaceutical University, 薬学部, 助手 (20382674)
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Keywords | TPMT / DPD / エピジェネティクス / DHPLC / 抗癌剤代謝酵素 |
Research Abstract |
初年度は、ヒト癌化細胞株HepG2、HSC-2、PC-3、A549、HeLa、PK-1、HEK293、LNCapFGC、Caco-2よりRNAを抽出し、リアルタイムPCR法によりTPMTmRNA発現量の定量を行った。その結果、TPMTmRNA発現量はEEK293とLNCapFGCで高く、HepG2、Caco-2、PC-3は中程度、それ以外は比較的低いことが明らかになった。これら各細胞株の6-チオグアニン(6-TG)を基質とした代謝活性は、TPMT mRNA発現量と良好な相関関係にあった(R^2=0.7045)。また、イムノブロット法によりTPMTタンパク質発現量を測定したところ、TPMTmRNA発現量と6-TG代謝活性の相関関係を支持するものであった。次に、HepG2よりゲノムDNAを抽出し、バイサルファイト処理後、ハイスループットなメチル化検出系の構築及びシークエンス解析によるメチル化部位の同定を試みた。バイサルファイト処理試薬は、CpGenome DNA Modification Kit、EpiTect Bisulfite Kit、BisulFast DNA Modification Kitの比較検討を行い、最も処理効率が高かったBisulFastを使用した。今回は、エキソン1及び転写開始部位を含む領域(CpG36個)とその5'上流領域(CpG39個)、それぞれ約300bpをPCR増幅し、pCR2.1ベクターにクローニングした。ハイスループットなメチル化検出系は、Denaturing HPLC (DHPLC)を用いて検証した結果、CpGのメチル化の程度によって、リテンションタイムやピークパターン等の溶出プロファイルが明確に異なり、約8分程度で判定可能であった。さらに、ピーク面積からR^2=0.99の精度で検量線を作成することができた。TPMT 5'非翻訳領域上のCpGのメチル化部位は、HEK293、HepG2、PK-1、A549を対象に検証した結果、今回ターゲットとした領域においては、一部CpGのメチル化が検出されたが、TPMTmRNA発現量の差を説明できるほど明瞭な差は認められなかった。
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Research Products
(9 results)