2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗がん剤パクリタキセルによる過敏反応の発現機序解明と予防薬の探索
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20790154
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
五郎丸 剛 Fukuyama University, 薬学部, 講師 (70412319)
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Keywords | パクリタキセル / 過敏反応 / 副作用 |
Research Abstract |
1)抗がん剤パクリタキセルの副作用である過敏反応に対して、肥満細胞膜安定化薬ぺミロラストが神経ペプチド遊離を抑制することで予防効果を示すことはすでに報告されているが、ペミロラストと同様の機序を有する薬物は他にも数種報告されている。これら薬物の過敏反応抑制効果について、すでに我々が過敏反応の指標として用いているラット肺血管透過性により検討した結果、イブジラストにおいて抑制効果が認められた。イブシラストはペミロラストよりもさらに低用量(0.01mg/kg, iv)で肺血管透過性亢進を抑制したが、投与量依存的な抑制効果を示さなかった。臨床応用するたあに、 今後詳細に投与条件を設定する必要がある。また、ペミロラストに続きイブジラストにおいても抑制効果が見られたことから、パクリタキセル過敏反応における神経ペプチド関与の可能性が一層高まった。2)現在日本で市販されているパクリタキセル注射液は3製剤存在する。これら3製剤の主薬成分は同一であるが、溶媒等の添加物は異なる。パクリタキセル過敏反応は、溶媒であるクレモホールELが原因と従来考えられていたため製剤間で過敏反応の程度が異なる可能性がある。パクリタキセル3製剤についてラット肺血管透過性、気管支肺胞洗浄液中タンパク量および動脈血中酸素分圧を指標として比較検討した。結果、浸透圧あるいはpH等の製剤物性が異なるにも関わらず、肺血管透過性、気管支肺胞洗浄液甲タンパク量および動脈血中酸素分圧において3製剤間に有意差は認められなかった。この結果は、パクリタキセル過敏反応の原因物質が主薬自体である可能性を示唆している。
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Research Products
(3 results)