2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790155
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
小林 弥生 National Institute for Environmental Studies, 環境健康研究領域, 研究員 (00391102)
|
Keywords | ヒ素 / 代謝 / 解毒 / 酸化還元状態 / メチル化 / HPLC-ICP-MS / LC-MS |
Research Abstract |
1) ヒ素代謝におけるGGTの役割:摂取されたヒ系化合物は還元、メチル化などの代謝を受け、体外に排泄されるが、その代謝過程でグルタチオン(GSH)が非常に重要な役割を果たしている。γ-glutamyl transpeptidase (GGT)はGSHおよびGSH抱合体の代謝分解に関与する酵素である。以前、ヒ素-GSH (As-GSH)抱合体の分解および酸化におけるGGTの影響を調べたところ、GGTによりAs-GSH抱合体は毒性の高い3価ヒ素化合物へと分解することが分かった。そこで、ヒ素代謝におけるGGTの割について解明することを目的とし、GGTの阻害剤をラットに投与した後、1時間後にヒ酸を投与し、経時的に血液、臓器、尿および糞を採取し、ヒ素の総濃度測定と化学形態別分析を行い、GGTの阻害剤の非存在化におけるヒ素の代謝と比較した。その結果,ヒ素の排泄量に関してはあまり影響を与えないものの,体内におけるヒ素GSH抱合体の安定件には密接に関係していることが明らかとなり,GGTの活性阻害によるGSH濃度の上昇が,ヒ素の解毒機構と関連する可能性が示唆された。 2) 腸管から再吸収された後のヒ素の動態:胆汁中に排泄されたヒ素化合物は、腸管循環し再吸収されると考えられる。しかしながら、胆汁から排泄されたヒ素化合物がどのような化学形で再吸収され、排泄されるのかは明ちかになっていない。そこで、再吸収後のヒ素の動熊を明らかにする為にラットにGSH存在または非存在下でAs-GSH抱合体を腸管に直接投与した後、30分間隔で胆汁を採取した。結果については現在解析中である。
|