2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代創薬基盤としてのオルガネラターゲティングシステムの開発
Project/Area Number |
20790156
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Research Institution | National Institute of Biomedical Innovation |
Principal Investigator |
角田 慎一 National Institute of Biomedical Innovation, 基盤的研究部・創薬プロテオミクスプロジェクト, サブプロジェクトリーダー (90357533)
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Keywords | 共焦点顕微鏡 / 細胞・組織 / 蛋白質 / プロテオミクス / DDS |
Research Abstract |
近年、細胞内オルガネラレベルでの疾患プロテオミクス研究が精力的に進められており、細胞内の特定領域において局在し、機能する蛋白質が次々と同定されつつある。そのため、これら細胞内蛋白質を標的とした安全かつ有効な治療法、すなわち、それら蛋白質自身を薬物として用いる、あるいは、それら蛋白質の機能を制御しうる蛋白質やペプチドを薬物として用いることが期待されている。しかし、細胞内で機能する蛋白質・ペプチドを薬物として応用するには、細胞膜の透過障壁をクリアしうるドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発が不可欠である。さらに、細胞内での動態をも制御可能とするDDS技術も求められてくる。そこで本研究では、細胞内移行性を有することが知られるペプチド配列(CPP)を細胞内機能性ペプチド・蛋白質のキャリアペプチドとして応用し、さらにインフルエンザHA2ペプチドによるエンドソームからの効率的エスケープ能、およびオルガネラ移行シグナルによるターゲティング能を付加したインテリジェントなDDS、オルガネラターゲティング・システムの確を目指す。 本年度は、細胞内導入効率と安全性に優れていたTATをCPPとして用い、エンドソームから細胞質内への移行のためにHA-TATを併用し、さらに細胞質から核への送達を達成するために核移行シグナルNLSを付与したオルガネラターゲティングシステムを構築した。モデル薬物として蛍光蛋白質、あるいは細胞内蛋白質の相互作用阻害ペプチドを用い、その動態と作用を検証した結果、細胞内オルガネラターゲティングが達成できていることを明らかとした。
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Research Products
(3 results)