2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790158
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
目崎 喜弘 Akita University, 医学部, 助教 (40431621)
|
Keywords | ゲノム / 発現制御 / 遺伝子 / 蛋白質 / 細胞・組織 / ビタミンA / レチノイン酸受容体 / 肝臓星細胞 |
Research Abstract |
肝臓星細胞はビタミンA貯蔵細胞であり、肝障害の時に活性化して細胞外マトリックスの成分であるコラーゲンを分泌するようになることから、肝線維化の責任細胞であるともいわれている。これまでの研究で、肝臓星細胞の活性化に伴ってレチノイン酸受容体(RARs)のmRNAの発現は減少する一方、RARαとβの蛋白質の発現が増加することを明らかにしてきた。また、このとき発現するRARα蛋白質は細胞質にドット状に局在した。このような特殊な局在を示すRARα蛋白質の報告はこれまでに無いことから、このドット状のRARα蛋白質が既存の細胞小器官と共局在するかどうかを確認したところ、ミトコンドリア、エンドソーム、リソソームなどの細胞質にドット状に局在する既知の細胞小器官とは共局在しなかった。さらに活性化した肝臓星細胞を細胞質蛋白質・膜蛋白質・核蛋白質・細胞骨格蛋白質に分画してRARα蛋白質の存在分画を確認したところ、細胞骨格蛋白質と共分画されたが、細胞骨格蛋白質のうち、アクチンフィラメント蛋白質との相互作用は否定された。また、活性化星細胞におけるRARα蛋白質の生化学的性状を解析したところ、非イオン性界面活性剤に完全に不溶であり、イオン性界面活性剤に対しても65%が不溶であることが明らかとなった。これらの特徴から、細胞質にドット状に存在するRARα蛋白質が星細胞の新規活性化マーカーになる可能性を検討した(J. Histochem. Cytochem. in press)。今後活性化した肝臓星細胞においてRARα蛋白質がドット状に局在する理由を明らかにするため、不溶性RARα蛋白質の相互作用因子を生化学的に精製し、同定を試みる予定である。
|