2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790158
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
目崎 喜弘 Akita University, 医学系研究科, 助教 (40431621)
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Keywords | ビタミンA / 肝臓 / レチノイン酸受容体 / 星細胞 / レチノイド |
Research Abstract |
四塩化炭素は古くからラットの肝臓に実験的に線維化を誘導する試薬として用いられてきた。線維化とは正常組織の機能維持に必要な量を超えた細胞外マトリックスが合成・蓄積されたものであるが、この細胞外マトリックスの合成にTGFβと呼ばれるサイトカインが関与することが知られている。TGFβにはTGFβ1,2,3の3種類のアイソフォームが報告されている。本研究では四塩化炭素をラットに週2回8週間投与し、肝臓におけるTGFβ1,2,3mRNAの発現量をリアルタイムPCRにより測定し、タンパク質の発現と局在を免疫組織化学により観察した。その結果、四塩化炭素投与によりTGFβ1とTGFβ3 mRNAの発現が誘導されることが明らかとなった。四塩化炭素投与前後でTGFβ2 mRNAの発現量に変化はなかった。四塩化炭素投与により、レチノールをエステル化する酵素であるレシチン:レチノールアシルトランスフェラーゼ(LRAT)mRNAや、レチノイン酸水酸化酵素であるCYP26A1 mRNAの発現も上昇することが明らかとなった。さらに、免疫組織化学によりTGFβ3タンパク質は肝臓実質細胞の細胞質に存在すると考えられた。これらの結果は、四塩化炭素投与により肝臓内でのレチノイドめ動態が変動することと、TGFβ1/3による細胞外マトリックスの合成誘導が起こることを示唆している。きらに肝実質細胞のcell lineを用いてTGFβ3遺伝子発現制御領域のレチノイド応答性を調査したところ、第3、第4エキソンの間のイントロンにレチノイン酸応答配列が存在することが明らかとなった。
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