2009 Fiscal Year Annual Research Report
小胞輸送関連分子欠損マウスを用いたマクロファージによる異物貪食機構の検討
Project/Area Number |
20790159
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 真人 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 助教 (60375532)
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Keywords | 小胞輸送 / 遺伝子欠失マウス / マクロファージ / 異物貪食機構 |
Research Abstract |
21年度はこれまでに作成したVAMP7(Vesicular Associated Membrane Protein-7)欠失によるマクロファージの貪食後の細胞内小器官の動態について電子顕微鏡を用いて解析した.解析に際してはVAMP7欠失マウスより取得した腹腔マクロファージを用い、マクロファージに貪食させる異物としてはヒツジ赤血球を用いた。まずPhagosome膜上でのLysosomeマーカーの存在を示すシグナルを定量するための条件検討として固定条件およびLysosomeマーカーの選択を行った。LysosomeのマーカーとしてLysosome膜タンパクであるLAMP-1、LAMP-2それぞれ数種類の抗体の中で最も免疫電子顕微鏡の際、安定した染色性を示したものは抗LAMP-1抗体(1D4B)であった.またその際の固定条件としてはグルタールアルデヒドを用いた場合、極端に染色性が低下することから、PLP(periodate-lysine-paraformaldehyde)液を用いた方がよいと判断した.そこでヒツジ赤血球を貪食させたマクロファージを抗LAMP-1抗体で染色し、免疫電顕による解析を行った.その結果、VAMP7欠失マウス由来のマクロファージではPhagosome膜上のLAMP-1シグナル数が減少している傾向が認められた.このことからVAMP7がヒツジ赤血球貪食後のPhagosomeとLysosomeの融合に関係している可能性が考えられた。今後、個体数を増やして統計解析を行う予定である。 一方、マウスマラリアモデルを用いた個体レベルでの解析については、遺伝的バックグラウンドを統一するため、C57BLとのバッククロスを継続して行い、本年度中に8代までの交配が完了した。22年度感染実験を行う予定である。
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