2009 Fiscal Year Annual Research Report
末梢感覚神経系の形成におけるニューロナルロイシンリッチリピート4の機能解析
Project/Area Number |
20790164
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
板東 高功 Wakayama Medical University, 医学部, 学内助教 (00423963)
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Keywords | NLRR4 / 脊髄神経節 / シナプス形成 / 接着因子 |
Research Abstract |
NLRR4の脊髄神経節での発現の解析を行った。NLRR4は、成獣において小型の痛覚感受性の神経細胞の一部に発現していることを明らかにした。小型の痛覚感受性の神経は、TrkA陽性の神経ペプチドを含む神経細胞と、Ret陽性で神経ペプチドを含まない神経細胞に分類されるが、NLRR4発現細胞はどちらの細胞群の一部に発現していることを明らかにした。また、発生過程における発現細胞の解析を行ったところ、発生の胎生13.5日から発現が認められ、徐々に発現頻度が増加し胎生17.5から出生後7日において最も高い発現頻度であり、その後減少することを明らかにした。また、NLRR4発現細胞におけるTrk family分子の発現を検討したところ、胎生13.5から15.5日においては主にTrkCを発現し、胎生17.5から生後にかけては主にTrkAを発現していることが明らかになった。つまり、NLRR4は、TrkC陽性の神経細胞からTrkA陽性の神経細胞へ、その発現を変化させていることが明らかとなった。先行研究により、TrkC陽性の神経細胞はTrkA陽性の神経細胞より早く成熟することが知られており、NLRR4の発現パターンは神経細胞の成熟に関与していることが考えられた。また、この時期は、シナプス形成が盛んな時期であり、NLRR4はその構造から接着因子として働いていることが考えられ、NLRR4がシナプス形成の接着因子として関与する可能性を示唆した。
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