2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790166
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
市村 浩一郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10343485)
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Keywords | 腎臓 / 糸球体 / 原尿 / 足細胞 / 細胞骨格 / 線毛 / 排泄器官 / 比較解剖学 |
Research Abstract |
哺乳類では高い糸球体内圧を維持することで、極めて効率のよい糸球体濾過を実現しているが、このような「高内圧・多濾過型」の糸球体を維持するため、哺乳類には糸球体壁を高い内圧から力学的に保護するための装置が発達している。この保護装置ひとつに、足細胞の足突起にある太いアクチン束があげられる。研究代表者は、アクチン結合タンパク質の一種であるsynaptopodin-1が足突起内に高濃度に局在することで、α-actininによってできるプリミティブなアクチン線維の束が太い高度なものに発達するするのではないかと推測している。この仮説を検証するため、足細胞に太いアクチン束を持たない動物種(ゼブラフィッシュ)において、足細胞にsynaptopodin-1が発現しているかどうかをこれまで検討してきた。つまり、ゼブラフィッシュにおいて、synaptopodin-1が足突起内に存在しなければ、この分子が哺乳類の足突起におけるアクチン束の発達に重要な役割を果たしていることが強く示唆されるわけである。RT-PCR法では、ゼブラフィッシュの腎組織においてsynaptopodin-1の発現が確認できたが、その発現レベルは低く、in situ hybridization法での発現細胞の同定は困難であった。そこで、synaptopodin-1のN末端領域とGSTの融合タンパク質を抗原としてポリクロナール抗体を作製し、免疫組織化学的にsynaptopodin-1がゼブラフィッシュの足細胞に発現しているかどうかを検討することとした。現時点では作製した抗原をウサギに免疫している段階であるが、精製抗体(抗原カラムを用いたアフィニティー精製を行なう)が近々完成するので、この抗体が免疫組織化学法でワークすれば、ゼブラフィッシュの足細胞におけるsynaptopodin-1の発現の有無が判明し、申請代表者の仮説を検証することが可能となる。
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Research Products
(6 results)