2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790176
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中島 謙一 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (40398392)
|
Keywords | 細胞骨格 / クロライドイオン / GTPase |
Research Abstract |
微小管はすべての真核細胞に普遍的に存在する細胞骨格系であり、α-tubulin、β-tubulinという二種類のグアニンヌクレオチド結合タンパク質同士の非共有結合によって形成される細長い筒状の重合体である。微小管は盛んに重合と脱重合を繰り返す動的に不安定な構造体であり、この動的不安定性は、tubulinのもつGTPase活性に基づいている。本研究では、微小管の基本的な動態およびtubulinのGTPase活性に対するクロライドイオンを始めとする様々な陰イオンの影響を検証し、以下のことを明らかにした。 1 微小管の重合に対する各種陰イオンの影響 試験管内においてtubulinを各種の陰イオン(Cl^-、NO_3^-、Br^-、F^-、I^-、gluconate)存在下で重合させると、Cl^-、F^-、gluconate存在下でよく重合し、NO_3^-、Br^-、I^-存在下では弱い重合が観察された。 2 tubulinのGTPase活性に対する陰イオンの影響 tubulinの持つGTPase活性を各種の陰イオン存在下で測定すると、盛んな重合が見られたCl^-、F^-、gluconate存在下で活性が低く、弱い重合しか見られなかったNO_3^-、Br^-、I^-存在下で高い活性が見られた。 これらの結果から、Cl^-、F^-、gluconateなどによりtubulinのGTPase活性が抑制され、それを介して微小管の伸長が促進されていることが示唆された。
|
Research Products
(6 results)