2008 Fiscal Year Annual Research Report
マグネシウムイオンによる脂肪細胞の生理機能調節メカニズムの解明
Project/Area Number |
20790179
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
井上 華 Tokyo Medical University, 医学部, 助教 (20390700)
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Keywords | イオンチャネル / 白色脂肪細胞 / 生理機能 |
Research Abstract |
平成20年度は、「研究実施計画」に基づき、単胞性白色脂肪細胞の電気生理学実験向けのプレパレーションを確立した。これを用い、白色脂肪細胞の形質膜に発現するいくつかのイオンチャネルの存在が明らかにした。以前から発現が示唆されていた外向き整流性カリウムチャネルの他に、一過性カリウムチャネル、マグネシウムイオンによって抑制される非選択性カチオンチャネル、細胞膨張によって活性化される容積感受性アニオンチャネルである。本申請研究では、このうち、非選択性カチオンチャネルと容積感受性アニオンチャネルについて詳しく検討を行っている。容積感受性アニオンチャネルに関しては、薬理学的・電気生理学的性質を詳細に検討し、これまでにほかの細胞で報告されている容積感受性アニオンチャネルとの比較検討を行った。このチャネルの白色脂肪細胞での生理機能の一つが、低浸透圧負荷による細胞膨張後の容積調節であることも明らかにし、3月現在、論文投稿中である。また、非選択性カチオンチャネルに関しては現在実験中であるが、細胞内・外のマグネシウムイオンによって抑制されるチャネルであることを明らかにした。これについては生理機能なども含め、平成21年度も引き続き検討を行う。 平成20年度のもうひとつの実施計画として白色脂肪細胞における蛍光イメージング技術を用いたマグネシウムイオン動態の解析を掲げていた。今までのところ白色脂肪細胞の蛍光イメージング向けの1プレパレーションの確立ができていない。電気生理実験には使えても、イメージングを行うとなると更に強固な細胞接着が必要であることが明らかとなった。これに関しては21年度も引き続き細胞接着のためのいろいろな基質を検討し、イメージングを可能にする予定である。
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