2008 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギーホメオスタシスに関わる新規オーファン受容体の生理機能の解析
Project/Area Number |
20790187
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐野 孝光 The Institute of Physical and Chemical Research, 平林研究ユニット, 客員研究員 (10399967)
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Keywords | GPCR / 肥満 / エネルギーホメオスタシス |
Research Abstract |
オーファン受容体であるGPRC5B、5C受容体は、グルタミン酸、GABA、味覚などに対する受容体と相同性の高い受容体である。最近、我々はショウジョウバエホモログであるbride of sevenless(BOSS)が細胞外のグルコースに反応し、糖と脂質の代謝を調節することを見出した(Kohyama、et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. (2008))。しかしながら、哺乳類におけるGPRC5B、5C受容体の生理的役割は不明であった。そこで、今年度は、GPRC5B-LacZ、GPRC5C-LacZノックインマウスをそれぞれ作製し、その表現型を解析した。まず、X-Gal染色法、Real time PCR法により組織局在を観察したところ、GPRC5Bは脳、白色脂肪組織での発現が高く、GPRC5Cは幅広い発現分布(脳、肺、肝臓、腎臓、膵臓等)を示した。次に、GPRC5B遺伝子欠損マウスの表現型を調べたところ、高脂肪食摂取に対する肥満に耐性を示し、白色脂肪細胞の肥大化が抑制された。しかし、GPRC5C遺伝子欠損マウスは野生型マウスと同様であった。さらに、GPRC5B欠損マウスの摂食量、飲水量を調べてみたところ、野生型と同様であったことから、エネルギー消費が亢進している可能性が示唆された。一方、GPRC5Bのリガントを探索した結果、2-アシル-リゾホスフアチジルコリンにより、ERKが活性化されることが明らかとなった。これらの結果は、GPEC5B受容体が脳または脂肪組織において重要な役割を担い、エネルギーホメオスタシス維持に関与することが示唆された。
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Research Products
(3 results)