2009 Fiscal Year Annual Research Report
ラット暑熱馴化の成立には前視床下部神経前駆細胞の分裂と分化が関与する
Project/Area Number |
20790192
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
松崎 健太郎 Shimane University, 医学部, 助教 (90457185)
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Keywords | 生理学 / 神経科学 / 体温調節 / 暑熱馴化 / 神経新生 |
Research Abstract |
暑熱暴露されたラットの前視床下部における神経前駆細胞の分裂と分化を解析し、暑熱馴化形成の中枢機序の解明を目指した。暑熱暴露によるラット前視床下部における神経前駆細胞の分裂はBromodeoxyuridine(BrdU)標識法にて免疫組織学的に解析した。その結果、暑熱暴露したラットの前視床下部において、神経前駆細胞の分裂が促進され、細胞が新生することを見出した。この暑熱暴露によるラットにおける細胞新生は、側脳室下領域や海馬歯状回などの中枢領域では対照群との差が確認されなかったことから、体温調節中枢である前視床下部に特異的な生体反応であり、体温調節反応に関与する可能性が極めて高いことが示唆された。さらに、暑熱暴露によって新生した細胞が機能的に成熟した神経細胞に分化しているかを検討するために、抗BrdU抗体および抗成熟ニューロン抗体(抗NeuN抗体)を用いて免疫二重染色により解析した。その結果、ラット前視床下部において、暑熱暴露によって新生した細胞の一部が成熟神経細胞に分化することが明らかになった。 さらに、暑熱暴露された老齢ラット視床下部神経前駆細胞の分裂と分化を解析した。暑熱暴露により若齢ラット視床下部のBrdU陽性細胞数は顕著に増加したが、老齢ラット視床下部では変化しなかった。また、若齢ラット視床下部のBrdU陽性細胞のうち約35%が抗NeuN抗体で染色されたが、老齢ラットではほとんど検出されなかった。一方、両群の視床下部BrdU陽性細胞は抗GFAP抗体ではほとんど染色されなかった。これらの結果から、暑熱暴露は若齢ラット視床下部の神経新生を促進するが、老齢ラット視床下部にはほとんど影響しないことが示唆された。
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Research Products
(5 results)