2008 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生過程におけるカルシウム動態の時空間パターンの意義の解明
Project/Area Number |
20790205
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
並木 繁行 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 助教 (90452193)
|
Keywords | 血管内皮細胞 / カルシウム / チューブ形成 |
Research Abstract |
血管新生のプロセスで血管内皮細胞が遊走、増殖し、最終的に血管のネットワークを完成させる過程においては血管内皮細胞内でのカルシウムシグナルが重要な役割を担っていると考えられる。そこで、細胞外からのカルシウム流入に寄与することが明らかになりつつあるSTIM1とOrai1のチューブ形成における機能を明らかにすることを目指した。STIM1とOrai1を標的とするsiRNA発現コンストラクトを作製し、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)内のSTIM1とOrai1遺伝子のノックダウンを行い、これらの細胞での容量性カルシウム流入(SOCE)をカルシウムイメージング法で評価した。その結果、いずれの細胞でもSOCEはほぼ完全に抑制されていることが明らかになり、細胞内カルシウム動態の寄与する血管内皮細胞の機能の抑制が期待された。さらに、長時間の生理条件下でのチューブの形成過程の観察やカルシウムイメージングに最適な方法の構築を行った。ゲル及び培地成分の選定、ゲル厚、細胞密度の最適化や、タンパク質ベースの蛍光カルシウムプローブの選定を行い、CCDカメラを用いた高精細なカルシウムイメージング法の確立を行った。また、形成されたチューブの画像解析を行うためのXYステージを備えた自動顕微鏡システムの構築を行った。今後は、今年度に確立した技術を組み合わせ、チューブ形成の際のカルシウムの時空間的変動へのカルシウム関連分子の寄与を明らかにしていく予定である。
|