2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗不整脈薬評価用ヒト心房モデルの開発による新しい抗心房細動薬像の研究
Project/Area Number |
20790206
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 慎吾 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (40437314)
|
Keywords | 心房細動 / シミュレーション / 抗不整脈薬 |
Research Abstract |
初年度である平成20年度はヒト心房細胞に存在する各イオンチャネルのモデル製作、単一ヒト心房細胞モデルの構築を行った。 ・イオンチャネルとその電気的リモデリングのモデル化 今年度は、本研究グループが予備研究で用いたCourtemancheらのモデルの改良を行った。Courtemancheらのモデルは現在ヒト心房筋細胞のデファクトスタンダードモデルである。このモデルに含まれているイオンチャネルはCourtemancheの論文が出された当時の情報に基づいているが、この論文が発表されて以来ヒト心房筋より各種イオンチャネルの特性計測が行われたが、モデルの改良は行われていない。そのため、Courtemancheらのモデルは多数の問題点がある、これらの問題点の改良を目標として、構成要素であるイオンチャネルのモデル化を行った。特に本年度は今まで注目されていたTRPM4というヒト心室では電流量が少ないが心房ではカルシウム依存的に電流を流すイオンチャネルのモデル化を中心に行った。 ・ヒト心房筋細胞モデルの動作調整及び確認 今年度構築をした各イオンチャネルのモデルを用い、単一のヒト心房筋細胞モデルの構築を行った。特に前項で述べたTRPM4チャネルをヒト心房筋細胞モデルに取り込むことで考察を行った。実験結果の再現の正確さを維持するため、実験で分かっている特性(波形長等)と比較することで動作確認を行った。その結果、イオンチャネルを流れる電流に関しては正確にシミュレーションできていたが、カルシウム依存性電流であるために、ヒト心房筋細胞モデルのカルシウム動態がより性格である必要性がわかった。
|