2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790220
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 裕之 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (70375509)
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Keywords | Tsc-22 / c-Myc / 幹細胞 / 癌 / 転写因子 / ERas |
Research Abstract |
ES細胞は、胚盤胞の内部細胞塊より樹立された全能性を有する細胞であり、高い自己複製能と増殖能を持つ。我々はTGF-βシグナル標的遺伝子のES細胞増殖への関与を解析する過程で、Tsc-22に着目した。まずマウスES細胞へTsc-22遺伝子を導入して、ES細胞の増殖、全能性の維持におけるTsc-22の役割を検討したところ、Tsc-22を発現させたES細胞では増殖抑制が認められた。しかしながら未分化マーカーの発現は認められ、全能性は維持されていると考えられた。マウスES細胞の増殖には、Rasファミリーの1種である日ERasが重要である。ERasは全能性の維持には必須ではないが、ES細胞の増殖、腫瘍形成に重要であることが知られている。そこでTsc-22とERasの結合について検討したところ、Tsc-22とERasの結合が認められた。ERasは、主にGTP結合型(活性化型)として存在し、主にPI3 kinase経路を活性化する。そこでTsc-22とPI3 kinase触媒サブユニットであるp110δとの結合について検討したところ、Tsc-22はp110δとも結合し、Tsc-22、ERas、p110δは3者複合体を形成することが明らかになった。次にTsc-22を発現させたときのES細胞の増殖シグナル伝達系への影響について検討したところ、Aktのリン酸化が抑制されることが明らかになった。さらにERasによって制御される下流シグナルについて検討するために、ERasを発現する培養細胞株を樹立した。ERasを発現する細胞株では、低血清状態でのリン酸化Aktの低下が起こらず、さらにはがん遺伝子c-Mycの減少も起こらないことが明らかになった。このことからERasからのシグナルはc-Mycの安定性にも影響を与えていることが示唆された。現在このERas発現細胞株にさらにTsc-22を発現させたときのシグナル伝達、足場依存的な増殖、ヌードマウスでの造腫瘍性を検討している。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Tristetraprolin (TTP) gene polymorphisms in patients with rheumatoid arthritis and healthy individuals2008
Author(s)
Suzuki T, Tsutsumi A, Suzuki H, Suzuki E, Sugihara M, Muraki Y, Hayashi T, Chino Y, Goto D, Matsumoto I, Ito S, Miyazawa K, Sumida T
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Journal Title
Mod Rheumatol 18
Pages: 472-479
Peer Reviewed
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