2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞極性を制御する新規Par3結合蛋白質の作用機構
Project/Area Number |
20790233
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鎌倉 幸子 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 助教 (80398081)
|
Keywords | 細胞極性 / 上皮細胞 / ニューロン |
Research Abstract |
細胞が正常に機能し調節されるためには、細胞の極性(cell polarity)が適切に形成されることが必要である。細胞極性が決定される時には、細胞膜の特定の領域に、極性決定のための蛋白質複合体が形成される。本研究の目的は、極性決定に必要な「Par-aPKC複合体」が、哺乳類上皮細胞のタイトジャンクション(TJ)形成部位や、海馬ニューロンの軸索先端の膜直下に、事前に形成されるための分子機構を明らかにすることである。私達は、yeast two-hybrid法を用いたスクリーニングを行い、Par3のPDZに結合する分子としてPar3BMP1 (Par3-binding membrane protein 1)を単離した。Par3BMP1は糖鎖を持つtype I膜貫通蛋白質であり、C末端のPDZ結合モチーフを用いてPar3と結合した。さらにPar3BMP1はPar3との結合を介してPar6やaPKCとも複合体を形成した。内在性Par3BMP1は上皮細胞の細胞間接着部位に集積して局在すること、細胞外領域がホモフィリックに結合することからPar3BMP1が細胞間接着を介して機能することが予想された。Par3BMP1の過剰発現は、TJ形成(極性形成)を著しく阻害したが、Par3BMP1のC末端(Par3結合領域)を欠失した変異体ではこの阻害効果は全く見られなかった。以上の結果から、Par3BMP1はPar3との結合を介して、「Par-aPKC複合体」の局在を制御し、上皮細胞の細胞極性形成に重要な役割を果たすことが示唆された。
|
-
[Journal Article] Membrane phospholipid metabolism during phagocytosis in human neutrophils.
Author(s)
Minakami, R., Maehara, Y., Kamakura, S., Kumano, O., Miyano, K., Sumimoto, H.
-
Journal Title
Peer Reviewed