2008 Fiscal Year Annual Research Report
野生型マウス由来体細胞からの誘導性多能性幹細胞(iPS細胞)の樹立
Project/Area Number |
20790235
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
三井 薫 Saitama Medical University, 医学部, 助教 (40324975)
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Keywords | ips細胞 / ウイルスベクター |
Research Abstract |
本研究においては、iPS細胞を誘導する際にウイルスベクターが細胞の染色体に組み込まれない「より安全性の高いips細胞」を効率よく樹立するために、染色体非組込み型ウイルスベクターを用いたiPS細胞の樹立条件の検討を行う計画である。H20年度はウイルスベクタープラスミドの作成とiPS細胞誘導条件の検討を行った。マウスだけでなくヒトでも応用できるように、ヒト由来のリプログラミング因子(Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc)をそれぞれに発現するアデノウイルスペクタープラスミド(pAdV)とレンチウイルスベクタープラスミド(pLV)を作成した。さらに、Foot and Mouth Disease Virus(FMDV)由来の2AペプチドでOct3/4, Sox2, Klf4を繋ぎ、ひとつのプロモータ下で発現させることのできるpAdV(pAdV-OKS)およびpLV(pLV-OKS)を作成した。作成したpLVを用いてLVを産生し、マウス胎仔線維芽細胞(MEF)とヒト線維芽細胞MRC5の二種類の細胞で、Lv-OKS(+LV-c-Myc)によるiPS細胞誘導実験を行い、未分化細胞マーカーであるアルカリフォスファターゼが陽性のコロニーが得られることを確認した。今後はこのpLVよりインテグラーゼ変異型LVを産生し、iPS細胞誘導を行う予定である。さらに、AdVについては細胞に感染させたときのそれぞれのタンパク質の発現量を確認し、細胞(MEF、MRC5)へ感染後、どの程度発現が維持されるかについての確認も行い、AdVによるiPS細胞誘導実験における感染条件を検討した。今後、この感染条件を基にAdVによるiPS細胞誘導実、験を行う予定である。
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