2009 Fiscal Year Annual Research Report
マーモセットES細胞由来心筋細胞のシート作製と移植
Project/Area Number |
20790236
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
服部 文幸 Keio University, 医学部, 共同研究員 (50398624)
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Keywords | マーモセット / 胚性幹細胞 / 心筋細胞 / 再生医療 / 移植 |
Research Abstract |
本実験責任者である服部らは、心筋細胞がミトコンドリアを多く含有する性質を利用し、ミトコンドリア特異的染色色素と蛍光細胞分取機(FACS)を組み合わせて、心筋細胞を純化精製する方法を見出し、2009年11,月にNature Methods誌に掲載した()。本報告は、この心筋細胞精製方法を応用発展させたものである。現在、マウス、サル、ヒトなど全てのES細胞に由来する心筋細胞を精製し、心筋細胞シートを構築した例は報告されていない。さらに、これを心臓上に移植に成功した例は無い。我々は、独自のシート作製方法であるフィブリン法()を応用し、上記の精製方法を用いてマーモセット(サル)ES細胞に世来する心筋細胞における心筋細胞シート作製および、移植に成功した。薄いフィブリンゲルを細胞培養皿に形成し、その上に、精製したマーモセットES細胞由来心筋細胞を高密度で播種した。この心筋細胞は、フィブリンゲル薄膜上で心筋細胞シートを形成した。このシートを薄利することで、シートを形成した。さらにこのシートを免疫不全マウスの心臓上に移植し、生着したことを、免疫染色等の方法で確認した。この成果は、世界的に突出した成果であると言える。これらの成果は、第9回再生医療学会総会、シンポジウム3で報告された。さらにその発表を受けて、メディカルトリビューン社から、新聞紙面における発表の申し出を受けるなど、社会的に高い評価を受けた。今後は、病態モデルへの移植、および、治療効果の検出に注力したい。
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