2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経突起伸長におけるPLCdelta3の生理機能の解明
Project/Area Number |
20790239
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
河内 全 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 生命科学部, 研究員 (70322485)
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Keywords | ホスホリパーゼC / 神経突起伸長 / RhoA |
Research Abstract |
1. PLCδ3の神経突起伸長に必要な部位の同定分化時のPLCδ3の神経突起伸長活性に必要な部位を同定する目的で、PLCδ3をノックダウンしたNeuro2a細胞(PLCδ3KD細胞)にPH、C2ドメイン各々を欠損したPLCδ3変異体を導入した結果、ノックダウンによる神経突起伸長の阻害はこれらの変異体によりレスキューされなかった。またPIP_2分鯉に関与する触媒残基の変異体(H393A)を発現させた場合では、突起伸長の阻害が見られ、恒常的活性化変異体(CA)を導入した場合は著しく突起の伸長が亢進した。以上の結果よりPLCδ3による突起伸長活性にはPIP2分解活性が重要であることががされた。 2. 神経突起伸長を担うRhoA上流及び下流シグナル経路の解明血清除去による分化に伴い、PLCδ3依存的にRhoAの発現量は減少するが、そのメカニズムについては不明であった。コントロール細胞及びPLCδ3KD細胞においてプロテアソームの阻害剤であるラクタシスチンやMG132で処理したところ、RhoAの発現レベルは変化しなかった。そこでリアルタイムRT-PCRにより転写レベルでの制御について解析した結果、分化誘導後のコントロール細胞ではRhoA mRNAレベルは減少していたのに対して、PLCδ3KD細胞ではRhoA mRNA量の減少は見られなかった。以上の結果よりPLCδ3は転写レベルでRhoAの発現量を負に制御することにより神経突起伸長に関与することが明らかとなった。またPLCδ3KDによる神経突起伸長阻害効果はRhoキナーゼの特異的阻害剤であるY-27632処理により抑制された。即ちPLCδ3DRhoA発現量を負に制御し、Rhoキナーゼを介した下流のシグナル伝達経路を抑制することにより神経突起伸長に関与することを明らかにした。
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Research Products
(3 results)