2008 Fiscal Year Annual Research Report
胚性幹細胞から樹立した赤血球前駆細胞株による脱核赤血球大量生産系の開発
Project/Area Number |
20790240
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
寛山 隆 The Institute of Physical and Chemical Research, 細胞材料開発室, 研究員 (50373361)
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Keywords | ES / iPS分化 / 赤血球 / 細胞株 |
Research Abstract |
貧血誘導したマウスの脾臓からCD71+TER119-細胞およびCD71+TER119+細胞をセルソータ-(FACS)により回収し、定量的RT-PCR法を用いて赤血球分化関連遺伝子の発現変化を解析した。また、赤血球系前駆細胞株(MEDEP)を用い、赤血球への分化を誘導し、継時的にRNAを抽出して同様の解析を行った。その結果、CD71+TER119-細胞からCD71+TER119+細胞へ分化する過程で発現が上昇する遺伝子の中で、MEDEPの赤血球分化過程では発現の上昇が見られない遺伝子があることを見いだした。この遺伝子は赤血球細胞膜上に発現するタンパク質をコードしており、脱核の際に赤血球細胞膜の動態に関与している可能性があることが考えられた。現在、この遺伝子が赤血球の分化最終段階である脱核に関与しているかを解析中である。また、網羅的遺伝子発現解析については様々な比較解析を行っているところである。 ヒトES細胞に関しては京都大学で樹立された3株を用いて血液分化誘導を行ったところ、3株すべてにおいて赤血球系細胞を含む血液細胞の産生を確認することができた。これを長期培養したところ、約3ヶ月間、血液細胞を産生(維持)することはできたが、そのほとんどは顆粒球・単球系細胞で赤血球系細胞を長期間維持しつづけることは困難であった。このことから現在、ヒトiPS細胞を用,いるとともに、遺伝子導入による赤血球分化誘導も試みている。またヒトES細胞については使用細胞株の追加が認められたので、これについても今後検討を行う予定である。
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Research Products
(8 results)