2009 Fiscal Year Annual Research Report
Spred/Sproutyの血管およびリンパ管新生における機能
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20790241
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
加藤 玲子 National Institute of Health Sciences, 療品部, 主任研究官 (00333469)
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Keywords | VEGF / チロシンキナーゼ / G-CSF / 血管 / ホスフォイノシタイド / ノックアウトマウス / 負の制御 / フォスフォリパーゼC |
Research Abstract |
Sprouty/Spredファミリー分子は、増殖因子やサイトカインによるERK経路活性化を抑制する調節因子である。哺乳類ではSproutyは4種類、Spredは3種類報告されている。我々はSprouty/Spredファミリーの生理的な役割を明らかにするためにSprouty/Spredファミリーのノックアウト(KO)マウスを作製し、解析を行ってきた。Sprouty4欠損マウスにおいては血管新生に重要なVEGF-A/VEGFR-2シグナルが過剰に入り、血管密度の増加、血管新生の亢進を認めた。また腫瘍血管の数や虚血モデルにおける新生血管の数もSprouty4欠損マウスで多く、Sprouty4が生理的にも血管形成を負に制御していることを明らかにした(PLosOneに発表)。Sprouty4はカルシウム流動やフォスファチジルイノシトール2リン酸(PIP_2)、イノシトール3リン酸(IP_3)といった、PKCより上流のシグナル群も抑制することがわかった。しかしSprouty4の過剰発現や遺伝子欠損によってPIP_2の分解酵素であるフォスフォリパーゼC(PLC)γ-1の活性化は影響を受けなかった。またSprouty4はVEGF-AだけでなくGタンパク共有受容体に活性化されるPLCβ/εを介したリゾフォスファチジン酸(LPA)によるPIP_2の加水分解をも抑制した。これらのことから、SproutyはPIP_2と相互作用しさまざまなタイプのPLC依存性のシグナルを抑制することがわかった。また我々はヒトNF-1様患者においてSPRED1の変異を発見した。本年度は大規模なスクリーニングを行い、NF-1様患者のおよそ2.6%がSPRED1が原因であることを明らかにした。またそのなかでミスセンス変異によるアミノ酸置換の影響について詳細に検討した。
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