2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管外遊送する細胞のライブセルイメージング解析と細胞医薬への応用
Project/Area Number |
20790243
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
細野 友美 National Institute for Longevity Sciences,NCGG, 外来研究員 (20470172)
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Keywords | 免疫学 / 脳神経疾患 / 糖鎖 |
Research Abstract |
アルツハイマー病を含む神経変性疾患の予防・治療法の開発は、薬剤や抗体、あるいは遺伝子担体を血液脳関門を越えて如何にして脳内に送り込むかが大きな課題である。1) 本研究では未だ不明な点の多い脳内への血行性細胞移入の分子機序をマウス生体内ビデオ蛍光観察技術を駆使し明らかにする。2) さらに、抗体や遺伝子を含む薬剤分子の搬送体として細胞を脳内へ送り込む機序を開発することにより、アルツハイマー病の新しい予防・治療法の開発を目指している。 申請者ははじめに生体内ビデオ蛍光顕微鏡を用いた脳内細胞イメージングを確立した。培養ミクログリア細胞BV2を蛍光色素CFSEで標識し、正常マウスへ尾静脈投与した。マウスの頭部はThinned-skull法を施すことにより、蛍光顕微鏡下での血管観察を可能とした。本法により血管内を移行するGFP陽性細胞をビデオにて鮮明に捉えることができた。次に、加齢マウスやアルツハイマー病モデルTg2576マウスの脳内でのCFSE標識BV2細胞の動態を生体内ビデオ蛍光顕微鏡法で観察・解析した。他の末梢組織でみられるローリングや接着の機構が中枢神経系でも観察された。興味深いことにアルツハイマー病モデルTg2576マウスの脳内においてCFSE標識BV2細胞のローリングと接着の亢進がみられた。脳移行時に働くと予想される分子(セレクチンリガンド、インテグリン)の生化学的解析およびフローサイトメトリーによる解析結果から、当該細胞がセレクチンリガンド糖鎖、CD44およびαMインテグリンを発現している事がわかり、これら分子の脳内浸潤における重要性を明らかにした。今後は脳内搬送治療遺伝子を導入したミクログリア細胞を用いて脳内細胞イメージング解析を行う予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation]2008
Author(s)
Kenji Uchimura
Organizer
BMB2008
Place of Presentation
兵庫県神戸市
Year and Date
2008-12-09
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