2008 Fiscal Year Annual Research Report
Glioma stem cellの"stemness"維持に関わる遺伝子の探索
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20790245
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
砂山 潤 Yamagata University, 医学部, 助教 (80466606)
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Keywords | glioma / stemness |
Research Abstract |
本研究を開始するにあたり、まず最初にグリオーマ幹細胞の選択的培養条件の検討・確立を行った。従来報告されていた幹細胞培養法にて培養を行ったところ、グリオーマ細胞株の中に培養プレートに接着せず球形の細胞塊(tumor sphere)を形成するものの存在が確認された。さらにこのようなグリオーマ細胞株について幹細胞マーカーの発現を検討したところ、幹細胞培養状態で幹細胞マーカーの発現亢進が認められた。しかしながら従来法の幹細胞培養条件下でtumor sphereの形成や幹細胞マーカー発現の上昇が見られるグリオーマ細胞株はごく限られており、複数の細胞株を用いて現象の普遍性を検討しようとする場合に支障をきたす可能性が考えられた。そこで幹細胞培養条件のさらなる検討を行ったところ、培地に加えるsupplementを変更することで、それまでの培養条件では幹細胞を選択的に培養することのできなかったグリオーマ細胞株でも幹細胞の選択的培養が可能となることが明らかとなった。 次にこのような培養条件下で、グリオーマ幹細胞の維持増殖に関わる分子の探索を行った。細胞内機能性分子に対する阻害剤等を用いて種々の検討を行ったところ、tumor sphereの形成を抑制する薬剤の存在が明らかとなった。Tumor sphere形成の抑制が単なる増殖・生存抑制によるものか、あるいは幹細胞性そのものの抑制によるものかを検討するため幹細胞マーカー発現についても調べてみたところ、この薬剤により幹細胞マーカー発現も抑制されることが確認できた。これらの結果はこの薬剤の標的分子がグリオーマ幹細胞の幹細胞性維持に関わっている可能性を示唆するとともに、この薬剤がグリオーマ幹細胞の機能阻害を通じて治療後の腫瘍再発を抑制し、有効なグリオーマ治療法となる可能性を示唆するものと考えられた。
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Research Products
(2 results)