2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫モデルマウスを用いたミッドカイン標的治療の評価と更なる治療標的の探索
Project/Area Number |
20790251
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岸田 聡 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 助教 (20402563)
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Keywords | 神経芽腫 / MYCN / Midkine / トランスジェニックマウス / 分子標的治療 |
Research Abstract |
1. MYCNによるMidkine発現誘導の検討 複数の神経芽腫細胞株でChIPアッセイを行い、N-mycタンパク質がE-boxを含むMidkineプロモーター領域に結合していることを示した。Midkineプロモーター領域(野生型とE-box変異型)を組み込んだルシフェラーゼレポーターを作製し、E-boxの関与を検討中である。 2. Midkineの下流因子の同定・機能解析 DNAマイクロアレイで同定したMidkine^<+/+>と^<-/->の腫瘍で発現パターンが異なる遺伝子の中から、-/-で発現が誘導されていたある遺伝子に注目して解析を行った。この遺伝子の発現パターンは他の腫瘍でも一致しており、神経芽腫細胞株でMidkineの発現を抑制するとmRNAの量が増加した。この遺伝子の発現はMidkineによって負に制御されている可能性が考えられるため、そのメカニズムや機能の解析を行っている。 3. Midkineを標的とした治療実験 まず、Midkine標的治療と併用する低容量CDDPの投与濃度を検討する予備実験を行った。その結果、2mg/kg/weekと4mg/kg/weekでは腎障害や体重減少を指標とした副作用が認められなかった。当初は、MYCN Tgマウスのin situ腫瘍を用いる予定であったが、実験に供する十分な個体数を同時に確保するのが難しいことがわかってきた。そこで代替策として、皮下への同種移植、すなわちin situ腫瘍を摘出・ミンスして同系統野生型マウスの皮下へ注射する系を検討し、安定して皮下腫瘍が形成される条件を見出した。 4. DNAマイクロアレイ解析によるMYCN Tgマウスの評価 DNAマイクロアレイ解析を行った結果、hemizygoteとhomozygoteの遺伝子発現プロファイルについては、顕著な差異は認められなかった。
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