2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレオフォスミン変異が腫瘍にもたらす分子病態の解明
Project/Area Number |
20790257
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
坂下 暁介 Shimane University, 医学部, 助教 (00397457)
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Keywords | ヌクレオフォスミン / リン酸化 / 細胞周期 |
Research Abstract |
ヌクレオフォスミン変異が腫瘍にもたらす分子病態の解明に向けて、野生型、S293A、S293Dおよびフレームシフト型NPM遺伝子にFLAG-HA-EGFPタグを付加した。これらをレトロウイルスベクターに組み込み、セルソーティングにより安定発現細胞株を樹立した。得られたNPM1の安定発現細胞株を用いて、タイムラプス蛍光観察をおこなった。間期および分裂期を通して、野生型およびS293の変異型NPM1の時間的および空間的な挙動に差異は認められなかった。また、フレームシフト型NPMはこれまでの報告通り、細胞質に局在していた。次に、NPM1と既知のNPM1結合タンパク質であるp19ARF、Nucleolinとの結合を検討した。p19ARFに関しては、大腸菌より精製したNPM1とin vitro translationにより合成したp19ARFを用いた。p19ARFは野生型およびS293の変異型NPM1のいずれとも結合することが明らかとなった。NucleolinとNPM1との結合は、NPM1の安定発現株を用いて検討した。抗FLAG抗体により遺伝子導入したNPM1を免疫沈降し、共沈する内在性のNucleolinを検討した。その結果、野生型およびS293の変異型NPM1のいずれともNucleolinが共沈することが明らかとなった。以上の結果から、ヌクレオフォスミンのC末端S293変異は野生型とこれまでの分子生物学的特性においては差が認められなかった。
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