2008 Fiscal Year Annual Research Report
カロリー制限における新規の血糖制御機構と糖毒性への小胞体ストレス反応について
Project/Area Number |
20790260
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山座 治義 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30336151)
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Keywords | カロリー制限 / 老化 / インスリンシグナル / 糖代謝 |
Research Abstract |
カロリー制限は、メタボリックシンドロームの病態とは対照的な表現型とともに寿命の延長を示すが、その分子機構については解明されていない。カロリー制限動物は、ストレス耐性であることおよびインスリン非依存性のグルコース恒常性機構の存在が示唆されている。そこで本研究課題では、カロリー制限における新規のグルコース恒常性機構の同定および糖毒性に対する小胞体ストレスの動向ならびにそれらの寿命延長への関連について検索することを目的とする。低濃度および高濃度のグルコースを、6ヶ月齢のラットに一晩絶食後投与すると、低濃度での投与では以前の報告と同様に、カロリー制限動物では投与後15分での血中インスリン濃度の上昇がみられなかった。さらに、投与後7.5分においても、カロリー制限動物では、血中インスリン濃度の上昇は見られなかった。このことから、低濃度グルコース刺激時において、カロリー制限動物ではインスリン非依存性の糖代謝機構が働いていることが示唆された。一方、高濃度グルコースの投与では、カロリー制限動物では対照群である自由摂食動物よりも、血中インスリン濃度が上昇した。以上より、カロリー制限動物のグルコース恒常性機構は、グルコース濃度依存性に異なる機構が働いていることが示唆されたことから、グルコース刺激時のインスリンシグナルの変化やインスリン非依存性シグナルの同定・解析を現在行っているところである。また、グルコース刺激時のストレス応答について、ERストレスと中心に検索中である。
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Research Products
(12 results)