2008 Fiscal Year Annual Research Report
Hic-5介在サイクリンD1核局在制御による足場依存性増殖とがん化による破綻
Project/Area Number |
20790263
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
森 一憲 Showa University, 薬学部, 助教 (60349040)
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Keywords | 足場依存性 / 非依存性増殖 / cyclin D1 / Hic-5 / 活性酸素種 |
Research Abstract |
これまでに足場非依存性増殖を誘導できるcyclin D1(D1)について、その核局在が接着に依存していること、その制御に接着斑-各シャトル蛋白質Hic-5が関与することを見出した。本年度は、Hic-5によるD1局在制御の意義とそのメカニズムについて検討した。 浮遊状態でD1の核局在が低下する原因として、接着消失に伴って産生されたROSによりHic-5のシャトル機構が抑制されたことに着目した。実際、Hic-5の酸化ストレス感受性システイン残基を他のアミノ酸に置換したHic-5の変異体は浮遊状態でもシャトル可能であった。このシャトル機能を保持したHic-5変異体を用いて、浮遊状態でのD1の核局在を操作できるか検討したところ、D1は浮遊状態でも核に局在できるようになった。さらに、浮遊状態での細胞周期の進行、アポトーシスの抑制が認められ、その結果、細胞は足場非依存性に生存するようになった。また、核移行型D1を発現させた細胞についても検討し、同様の結果を得た。 接着細胞内でのHic-5シャトル機能によるD1局在化メカニズムについて、詳細な検討を加えた。Hic-5変異体発現系を用いた検討から、Hic-5は核内で核外排出機構CrmlによるD1核外排出を阻害することでD1を核に局在させている可能性が考えられた。そこで、酵母転写因子Gal4のDNA結合領域と単純ヘルペスウイルス由来転写因子VP16の転写活性化ドメインを利用したTwo hybrid系を用いて検証したところ、Crm1とDlの相互作用はHic-5の発現量依存的に弱められた。さらに、Hic-5の方がCrm1との親和性高いこと、cyclinEの核外排出に対してHic-5は影響せず、競合阻害効果がD1特異的であることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)