2009 Fiscal Year Annual Research Report
伴性劣性ジストニアパーキンソニズムの原因遺伝子N-TAF1に関する機能解析
Project/Area Number |
20790266
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
牧野 悟士 Shiga University of Medical Science, 分子神経科学研究センター, 非常勤研究員 (30423403)
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Keywords | 遺伝子 / 核酸 / 脳・神経 / 発現制御 |
Research Abstract |
申請者は、ヒトTAF1(TATA box binding protein-associated factor 1)の神経細胞特異的なアイソフォーム(N-TAF1)を見出し、伴性劣性ジストニアパーキンソニズム(XDP/DYT3)の原因遺伝子であることを報告した。TAF1が基本転写因子TFIID複合体の最大のサブユニットであり、多くの組織で普遍的な発現様式および機能を持つと考えられていたことに対して、N-TAF1は組織特異的な調節を受け、神経細胞の生存に必須の機能を持つ可能性があることは興味深い。そこで本研究では、神経細胞においてN-TAF1がもつ役割の詳細を明らかにすることを目的として、1) マウス胚発生期におけるN-TAF1の発現パターンを分子組織学的な手法によって詳細に調べるとともに、2) N-TAF1およびTAF1タンパク質を強制発現させた培養細胞株(HeLa細胞および神経芽細胞腫Neuro-2a)を用いて細胞化学的な解析を行った。強制発現細胞を用いた実験の結果、N-TAF1発現細胞では細胞増殖速度の低下が観察され、TAF1発現細胞との間に差異がみられることがわかった。また、タグ付きN-TAF1およびTAFIタンパク質における細胞内分布の観察と比較を行った。これらの結果より、神経細胞において転写因子であるN-TAF1およびTAF1が果たす役割についての知見が得られ、XDPのような転写調節異常が原因であると考えられる疾患の分子的病因のみにとどまらず、真核生物細胞における遺伝子転写調節の研究そのものにも新たな展望をもたらす可能性があるものと期待される。
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Research Products
(2 results)