2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790279
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
浅野 直子 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (90467192)
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Keywords | 悪性リンパ腫 / ホジキンリンパ腫 / 治療抵抗性 / EBV / 細胞障害性分子 / 高齢者 |
Research Abstract |
ホジキンリンパ腫(CHL)は、単核および多核の巨細胞を示した腫瘍細胞が反応性細胞を背景に出現することを特徴とし、その特異な形態を示す腫瘍細胞は濾胞中心B細胞由来であるとされている。また欧米データによると化学療法に奏功し高い完全貫解率を示すことで知られるが、標準治療法に対し治療反応性の悪いものは存在し、その例としてTマーカー陽性のホジキンリンパ腫、またEBV陽性ホジキンリンパ腫の存在が挙げられる。今回の研究はそれらの難治性ホジキンリンパ腫の特徴をまず臨床病理学的に検討することである。細胞傷害性分子(CM)陽性CHI.)はCM陰性CHLと比較し、病理形態学的にはほとんど相違を認めないもの、PAX5というB細胞マーカー(本来CHLでは陽性となる)が陰性になるなど、B細胞由来の確証を得られないものであり、また臨床的にCM陰性CHLと比較し有意に予後不良を示した。また、これらの難治症例の由来細胞の同定を、マイクロダイジェクション法を用いたDNA抽出法を施行したものの、IgHおよびTCRγの再構成を認めなかった。当検討に関しては現在雑誌投稿中である。また治療抵抗性ホジキンリンパ腫として、高齢者発症の結節硬化型ホジキンリンパ腫に着目した臨床病理学的検討を行った。結節硬化型ホジキンリンパ腫は若年者発症で予後良好のホジキンリンパ腫として知られるものであるが、高齢者発症例に関しては予後不良を示す。高齢者発症の結節硬化型ホジキンリンパ腫の臨床病理学的検討を進めたところ、これらはEBV陽性症例、Tおよび細胞障害性分子陽性症例の比率が高く、これらの症例を除外すると、若年症例との予後の有意差は認められなかった。当検討に関しては、国際ホジキンシンポジウム(ISHL2010)および米国血液学会(ASH2010)で発表した。
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Research Products
(8 results)