2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成・骨吸収に関与するおとり受容体の解析:前立腺癌とその骨転移における役割
Project/Area Number |
20790283
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 武史 Kobe University, 医学研究科, 特命講師 (20335441)
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Keywords | BAMBI / TGF-β / BMP / pseudoreceptor |
Research Abstract |
BMP (Bone Morphogenetic protein : 骨形成因子)は、骨形成・骨芽細胞分化に重要なサイトカインであり、骨基質に豊富に貯蔵されている。BMP and activin membrane-bound inhibitor(以下BAMBI)は、TGF-β/BMP type I受容体類似の膜貫通型の糖蛋白であり、キナーゼ領域を有さないためBMPやTGF-βの偽受容体pseudoreceptorとして機能することが知られている。すなわちBAMBIはTGF-β/BMPシグナリングのおとり受容体であり、negative feedback loopを形成することが想定される。今年度にかけて、高悪性度の膀胱癌の一部においてヒトBAMBI遺伝子がプロモータ領域のhypermethylationによって発現抑制をうけており、それが膀胱癌の浸潤、腫瘍の進展に関与していることを明らかにした。また、骨吸収を正に制御するRANK-RANKLシグナル系のおとり受容体として機能するOPGのプロモータ領域の解析については、さきに作製したマウスOPGプロモータコンストラクト(J Bone Miner Res 2004)を癌研究会癌研究所生化学部の今村健志先生に供与し、今まであまり知られていないBMP2の骨吸収制御機構についての共同研究を進めている。なお、本研究成果の一端を国内の学会において発表すると共に、膀胱癌におけるBAMBI遺伝子の発現調節については、Int J Cancer誌に発表した。
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Research Products
(4 results)