2008 Fiscal Year Annual Research Report
アレイCGH法による早期胃癌におけるゲノムコピー数異常の網羅的解析
Project/Area Number |
20790286
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
塚本 善之 Oita University, 医学部, 助教 (00433053)
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Keywords | 早期胃癌 / 進行胃癌 / アレイCGH |
Research Abstract |
早期胃癌に対して、内視鏡的粘膜切除術(ESD)あるいは外科的切除術を試行された手術標本のパラフィン包埋切片から癌細胞のみを切り取り、ゲノムDNAを抽出してアレイCGH法により早期胃癌のゲノム異常を網羅的に解析した。通常、癌組織では繊維芽細胞や炎症細胞といった正常細胞が含まれていることが多いため、癌細胞のみを切り取るためにlaser-captured microdissection(LCM)を用いた。胃癌の発生に関与するゲノム異常及び、進行に関与するゲノム異常を探すために、早期胃癌のゲノム異常と我々が既に解析した進行胃癌のゲノム異常を比較した。その結果、早期胃癌、進行胃癌ともに高頻度で検出された領域として、1q21, 6p21, 8q24, 17q12, 19q13の増幅と5q, 17p21, 21q21の欠失が同定された。これらの領域は胃癌の発生に関与している可能性が考えられる。一方で、早期胃癌より進行胃癌において有意に高頻度に検出された領域として、1q42, 3q27, 13q34, 20p12, 20qの増幅と3p14, 4p15, 4q, 9p21, 16q22, 18q21の欠失が検出された。これらの領域は胃癌の進行に伴い付加されたゲノム異常、すなわち、胃癌の悪性化に関与するゲノム異常である可能性が示唆された。
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