2010 Fiscal Year Annual Research Report
濾胞性リンパ腫のがん幹細胞におけるmiRNAの網羅的検討
Project/Area Number |
20790288
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
阿保 亜紀子 岩手医科大学, 医学部, 助教 (80326686)
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Keywords | 濾胞性リンパ腫 / がん幹細胞 / miRNA / SP細胞 |
Research Abstract |
本邦に於ける濾胞性リンパ腫の発生は年々増加傾向にある.濾胞性リンパ腫は,病理学的には特徴的な組織像を示し,遺伝子異常が明らかで,診断の確立された疾患である.経過は穏やかで,初期には治療に良好な反応を示すが再発を繰り返すのが特徴である.難治性の濾胞性リンパ腫の治療戦略のターゲットを考える上で,リンパ腫内のがん幹細胞(cancer stem cell)の存在を明らかにしたい.濾胞性リンパ腫においてmicroRNA(miRNA)の発現プロファイルを作成し,癌関連遺伝子および分化・成熟の発現制御に関わるmiRNAを特定する.さらに,個々のmiRNAの細胞生物学的意義を検証し,リンパ腫の発生・進展に関する生物学的意義を明らかにする. 方法:本年度は,濾胞性リンパ腫のcell line (FL-218)を用いた解析を中心に行った.FACSAriaを用いてリンパ腫細胞中のSP細胞およびnon-SP細胞を分取した.SP細胞およびnon-SP細胞におけるTaqMan Low Density Array Human MicroRNA Panel v1.0により,miRNAを網羅的に解析した.SP細胞およびnon-SP細胞をそれぞれヌードマウスの皮下へ移植し,腫瘍形成能をみた. 研究結果:miRNA microarrayの解析により,多能性幹細胞関連転写因子の発現抑制を示すmiRNAの発現低下がみられた.特にBTB/POZ familyをNACC1を標的としたmiRNAの発現増加も確認された. 解析結果の意義:多能性幹細胞関連転写因子NACC1の発現制御に関わるmiRNAは濾胞性リンパ腫における多能性幹細胞の生物学的特性の形成に関与している可能性が示された.
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Research Products
(1 results)