2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790297
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齋藤 謙悟 Chiba University, 大学院・医学研究院, 助教 (70451755)
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Keywords | ウイルス / 腫瘍溶解 / 構造蛋白 / 癌 |
Research Abstract |
各種の悪性腫瘍細胞株(子宮頸癌、神経芽腫、肝細胞癌、口腔癌、肺癌、胃癌)で、選択的腫瘍溶解性を示すシンドビスウイルスAR339株の遺伝子変異の解析と、腫瘍溶解責任遺伝子の解析を行った。 AR339株の構造蛋白遺伝子(カプシド蛋白遺伝子capsid、エンベロープ蛋白遺伝子E1, E2)の塩基配列の解析を、作成したシークエンスプライマー16個を用いて、PRISM310Genetic Analyzer(ABI)で行った。その結果、E2領域に12塩基挿入があり、全構造蛋白遺伝子の塩基数は4117bpとなっていた。また、同E2領域には点変異が2か所あり、アミノ酸がAspからGlyへと、ValからGluへと変化している部位があった。現在までに、変異の報告はあるが、挿入の報告はないため、データーベースへ、Sindbis virus genomic RNA, 26S messenger RNA reagion, complete sequence, ov-100 variantとして登録をした。次に、腫瘍溶解責任遺伝子の同定のために、各構造蛋白遺伝子をPCR法にてクローニングを行い、各構造蛋白遺伝子の発現ベクター(pCI-neo Manmalian Expression Vector)を作成し、リポフェクション法にて各種悪性腫瘍細胞株(扁平上皮癌、神経芽腫)に遺伝子導入し、蛋白を発現させ、細胞形態の観察と、生存率の測定を行った。結果は、コントロールと比較して、細胞傷害性が高かった遺伝子は、扁平上皮癌ではE1とE2で、神経芽種ではE1であった。形態観察からは腫瘍溶解はアポトーシスであることから、E1遺伝子が細胞内でのアポトーシスを誘導していると推測できた。今後は、E1遺伝子内の腫瘍溶解責任部位の検討と、E2の変異と腫瘍選択性の関連の検討を、欠損株や変異株を作成して解析を行っていく。
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Research Products
(1 results)