2009 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞でのサイトメガロウイルス再活性化におけるシクロフィリンの役割
Project/Area Number |
20790301
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
河崎 秀陽 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 助教 (90397381)
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Keywords | サイトメガロウイルス / ES細胞 / シクロフィリン |
Research Abstract |
われわれは神経幹・前駆細胞においてシクロスポリンAがcyclophilinを介してCMV再活性化を抑制することを発表し、cyclophilinがCMV前初期遺伝子プロモーターにおけるクロマチンリモデリングに関わる可能性を示唆した。またES細胞はCMV感染感受性を示さない一方、神経幹・前駆細胞においてはCMV感染感受性を獲得することを明らかにしている。CMV感染感受性は細胞の分化過程に依存しており、CMV前初期promoter活性の違いに依存している可能性が高いと予想した。その仮説をもとに、ES細胞を使ってCMV感染におけるクロマチンリモデリングの研究をすすめていたが、実験の過程でES細胞はCMVが入りにくい細胞であることがわかり、ES細胞のCMV感染抵抗性の機序を詳細に解明することとなった。実験の結果、ウイルス増殖・IE蛋白発現・ie1 mRNA発現はMEFよりESで有意に低かったが、ESへのtrichostatin A+forskolin処理で感染感受性の軽度増加がみられた。hEF promoterはtransfectionではESで活性が高かったが、hEF promoter-GFP変異MCMV感染でのhEF promoter活性はESでほとんどみられなかった。ESではMEFと比較してウイルスゲノムの核内移行はrealtime PCRにて約1/20と低下し、in situ hybridizationでも核内のMCMV genomeシグナルはESではMEFと比し有意に少なかった。またheparan sulfate, integrinβ1,核膜孔数はESではMEFより低下していた。ESでのMCMV感染感受性低下はheparan sulfateやintegrinβ1発現量,核膜孔数やpromoter活性に依存している可能性が考えられた。この結果をふまえて現在はcyclophilin A knockout mouseを購入し、CMV感染とcyclophilinとの関係をウイルスの細胞内entryを含めて多角的に検索している。
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