2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄由来間葉系幹細胞のc-Mycによる発癌モデル構築と発癌機構解明、その克服
Project/Area Number |
20790310
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
清水 孝恒 Keio University, 医学部, 助教 (40407101)
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Keywords | 腫瘍 |
Research Abstract |
腫瘍形成細胞の同定骨髄ストローマ細胞にINK4a-/-、c-Mycの過剰発現という条件を付加することにより骨肉腫の発生が確認された。single cell cloningにより骨肉腫のtumor initiating cellとして骨、軟骨前駆細胞と間葉系幹細胞(MSC)の性質を有する2種の細胞が同定された。前者の分画は発癌能が高く骨肉腫幹細胞の性質を有していた。後者の細胞からの発癌には脂肪分化能の喪失が必要であった。また骨肉腫幹細胞にPPARγを導入し脂肪分化能の回復させたところ腫瘍形成能が抑制された。以上から脂肪分化は骨肉腫形成に負に働くことが解明され、発癌には分化の因子も重要であることが明らかとなった。MSCからの発癌の条件検討、モデルの確立MSCは多様な組織への分化能を有するため、形成する腫瘍の組織型は様々な条件により変化することが予想される。INK4a-/-、c-Myc過剰発現さらに脂肪分化能を喪失することによりin vivoで骨肉腫が発生することが明らかとなり発癌マウスモデルの確立に成功した。INK4a-/-、c-Myc過剰発現の遺伝子背景では移植部位を変えても骨肉腫形成が形成され、MSCからの腫瘍の組織型の決定因子としては遺伝子レベルでプログラムが重要であることが示唆された。一方で脂肪分化の条件下ではMSCは脂肪へ最終分化し細胞周期停止することが明らかとなった。腫瘍形成には最終分化が死を伴わない`方向付け'が重要であることが示唆された。本モデルを用いて骨肉腫の微小環境(cancerniche)にマクロファージが重要であることが明らかとなりJ. Exp. Medに発表した。
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Research Products
(2 results)