2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄由来間葉系幹細胞のc-Mycによる発癌モデル構築と発癌機構解明、その克服
Project/Area Number |
20790310
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
清水 孝恒 Keio University, 医学部, 助教 (40407101)
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Keywords | 腫瘍 |
Research Abstract |
骨髄ストローマ細胞の発癌機槽の解明昨年度までにInk4a/Arf欠損、c-MYUの過剰発現により骨髄ストローマ細胞から骨肉腫の発生が確認され、間葉系幹細胞、骨・軟骨前駆細胞が起源細胞となることが明らかとなった。野生型ストローマからもc-MYC過剰発現により長期間かけて骨肉腫発生がみられた。腫瘍形成後の細胞解析からInk4a/Arfの欠損がみられ、骨髄ストローマにおけるInk4a/Arf欠損、c-MYC過剰発現は骨肉腫発生を促進することが示唆された。しかし、ヒト骨肉腫をmicro array解析したところInk4a/Arfの発現抑制は一部であった。またc-MYCはヒト骨肉腫において遺伝子レベルでの増幅が示唆されたが他の臓器に比較して骨髄ストローマ細胞はもともとc-MYC発現が高く、発癌機構における意義について現在解析を行っている。これらの結果は現在Oncogeneに投稿中である(1^<st> revise)。構築したモデルの癌治療開発への応用本研究により槽築された骨肉腫モデルは正常免疫系のマウスに発生し極めてヒトの病態近い。腫瘍はヒト同様、未分化、骨分化部分から形成されるが組織像形成には腫瘍周辺の微小環境から産生される増殖因子が関わることが示唆された。さらにヒト骨肉腫同様、既存の抗癌剤(ADRなど)が転移巣には効果がないことも明らかとなった。転移巣と原発巣の細胞では増殖因子やmatrixリモデリングに関わる液性因子の産生に違いがあることが示唆され、治療の標的となり得るか解析を進めている。さらに、本学薬学部から供与されたサリドマイド誘導体を始め、骨肉腫克服に向けた新規薬剤のin vivoの効証試験を実施中である。
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Research Products
(1 results)