2008 Fiscal Year Annual Research Report
重症マラリア発症に伴う貧血に関わる宿主分子群の解析
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20790322
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
畑生 俊光 Gunma University, 医学部, 助教 (60344917)
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Keywords | マラリア / 貧血 / スカベンジャーレセプター / パターン認識分子 |
Research Abstract |
重症マラリアの合併症として重要な貧血に関わると推察される宿主因子であるスカベンジャーレセプターについて、class Aに属する3種類を標的に強制発現細胞の作成を行った。本研究年度については前倒しして行っていたScavenger receptor-A以外の2種類(MARCO, SRCL)について強制発現細胞の作成を行い作成に成功した。うちSRCLに関して、試験管内でマラリア原虫感染赤血球との接着試験を行ったところSRCL強制発現細胞とマラリア原虫感染赤血球の接着を観察、SRCLに対する既知のリガンドの使用によりマラリア原虫感染赤血球の強制発現細胞への接着阻害が観察できたことから、SRCLは宿主側のマラリア原虫感染赤血球接着に関連する新規の受容体である可能性が推察できた。MARCOに関しても予備試験でマラリア原虫感染赤血球との接着を観察した。以上のことから、class Aスカベンジャーレセプターは、マラリア原虫感染赤血球に対する宿主側の受容体として機能することが推察でき、重ねて重症マラリアにおける貧血との関連が強く推察できた。研究計画にあるマラリア原虫感染赤血球および非感染赤血球鈍色マクロファージの発現遺伝子プロファイルの作成に関しては、スカベンジャーレセプターの原虫側リガンドの同定が先行しているため、リガンドの同定が完了した時点で同時に進行させる様に研究計画を変更したため、次年度に行うこととする。
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