2009 Fiscal Year Annual Research Report
繰り返し感染あるいは再燃患者における脳マラリア抵抗性機序のマウスモデルによる解析
Project/Area Number |
20790325
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
NGUYEN Huy-Tien Nagasaki University, 熱帯医学研究所, 助教 (20457526)
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Keywords | マラリア / 脳マラリア / 準免疫 / 再燃 / マウス |
Research Abstract |
準免疫状態(多少の免疫を獲得している状態)あるいは再燃マラリア患者における脳マラリア(CM)の発症は稀であるものの、流行域ではしばしば問題となる。流行域における成人はマラリアに対して部分的な免疫を獲得しているため、子供に比べてCMに対して抵抗性を持つ。しかし、CMから宿主を守るのに十分な免疫を獲得するために何回の感染が必要なのかは未だに不明である。本研究で、われわれはCMを理解し、治療方法を開発するために、準免疫状態および再燃マラリアのマウスを用いたCMモデルを開発した。準免疫マウスにおけるCMを評価するため、2系統のマウス(B6、Balb/c)に0~2回の事前感染と治療のサイクルを繰り返した後、10^4個のPlasmodium berghei ANKAに感染させ、以下を明らかにした。(1)非免疫および準免疫B6マウスはCMになるが、再燃マウスはならない、(2)事前感染は耐性Balb/cマウスのCMに対する感受性に影響しない、(3)2回の事前感染により感受性B6マウスをCMから保護できる、(4)非感染および1サイクル事前感染マウスにおいてCMの病態に違いは見られない、(5)αβ CD8 T細胞、血液脳関門レギュレーター・アンジオポエチン-1(ANG-1)とアンジオポエチン-2(ANG-2)および遊離ヘムがCMの病態に関係する、(6)抗酸化剤およびヘムキレーターはCMの治療法として有効である。
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Research Products
(6 results)