2008 Fiscal Year Annual Research Report
Aspergillus fumigatus各形態を認識する宿主因子の探索
Project/Area Number |
20790329
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
豊留 孝仁 Chiba University, 真菌医学研究センター, 特任教員 (90422245)
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Keywords | 真菌 / 感染症 |
Research Abstract |
我が国において、Aspergillus属菌(主にA. fumigatus)が起因菌であるアスペルギルス症は増大の一途をたどっている。A. fumigatusを初めとする糸状菌の宿主認識機構の研究は途上にあり、未解明の部分が多く残されている。さらにAspergillus属菌はその生育過程において、分生子から膨化分生子、そして菌糸へと形態を変える。その形態と共に表面構造も変化することが知られている。しかしながらこのような形態変化を考慮に入れた研究は非常に少ない。これらの解明は真菌認識機構を明らかとするだけでなく、治療・創薬への応用が期待される。 そこで本研究課題では、A. fumigatus各形態を認識する宿主側受容体の探索・同定・機能解析を目的として研究を進めている。平成20年度には、まず、β-グルカン受容体Dectin-1を指標に膨化分生子(両者ともβ-グルカン構造を表出している)との共沈実験を予試験として行い、PRR同定のための実験条件確立を行った。条件検討の結果、膨化分生子によりDectin-1を共沈させる条件は確立できた。この条件において共沈実験を行い、質量分析を行ったが多くの核内もしくは細胞質に存在するタンパク質が共沈してきてしまう事が明らかとなった。しかしながら、その中から偶然にも培地成分である胎児ウシ血清中のタンパク質が強くA. fumigatusと結合することが明らかとなった。現在、その結合を確認するとともに、この血清中タンパク質がA. fumigatusに及ぼす影響について検討を進めている。同時に今後も共沈実験の条件検討を進め、新たな受容体の探索を進めている。
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Research Products
(4 results)