2008 Fiscal Year Annual Research Report
ブドウ球菌の情報伝達シグナル物質生合成遺伝子の病原性に対する基礎的・臨床的解析
Project/Area Number |
20790332
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 景子 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 助教 (00402561)
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Keywords | セカンドメッセンジャー / cyclic-di-GMP / cyclic-di-AMP / 黄色ブドウ球菌 / バイオフィルム |
Research Abstract |
セカンドメッセンジャーcyclic-di-GMPの生合成遺伝子の発現機構の解析 GFPおよびBFPをレポーター遺伝子として組込むベクターの作製を行っているが、グラム陰性菌-陽性菌シャトルベクター内で安定に保持できず成功していない。ベクターの変更など引き続き試みている。 ブドウ球菌における標的分子の探索 cyclic-di-GMPの生合成遺伝子の発現系の構築を試みている37℃、25℃の培養では大部分がinclusion bodyを形成しほとんど回収できず20℃の培養では発現量そのものが大きく低下した。大量に培養して回収したわずかなタンパク質は凝集しやすく機能の解析はできなかった。コールドショックベクターにクローニングしシーケンスは確認できたが、得られたタンパク質は想定のものより短くなっていた。引続き発現系の構築を進める。 ビブリオおよび枯草菌において新たにcyclic-di-GMPと類似のcyclic-di-AMP合成遺伝子の存在が指摘された(N. Sudarsan, et al. Science 2008 : Vol. 321, p411-413)。黄色ブドウ球菌においても検索したところ1つ見つかった。ノックアウト株の作製を試みたができなかったのでDNAzymeを導入したところ生存率が低下したことから黄色ブドウ球菌では必須遺伝子である可能性が示唆された。この遺伝子についてもコールドショックベクターでの発現形の構築を行い、組換えタンパク質を精製した。ATPと組換えタンパク質を混合しcyclic-di-AMPの合成が可能であるか調べたところ、塩基性側においてcyclic-di-AMPの合成がHPLCおよび質量分析から確認された。今後このタンパク質を用いアイソトープラベルのcyclic-di-AMPを作成し黄色ブドウ球菌でのこれらの標的を網羅的に探索する。 臨床分離株の収集 名古屋大学医学部付属病院検査部と連携し、バイオフィルム形成と関連があると考えられるカテーテル関連感染症から分離されたブドウ球菌を収集した。留置カテーテルかつ血液から同じ菌が得られた症例は1年で10株程度と少なかったのでさらに菌株を収集中である。
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Research Products
(1 results)