2008 Fiscal Year Annual Research Report
宿主細胞カスパーゼ活性の制御を介した結核菌のマクロファージ内生存の分子機構
Project/Area Number |
20790334
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
内山 良介 Hyogo College of Medicine, 医学部, 助教 (20456891)
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Keywords | 結核菌 / マクロファージ / 細胞内寄生菌 / カスパーゼ |
Research Abstract |
結核菌と同じ抗酸菌であるBCGと、代表的な細胞内寄生菌であるリステリア菌を用いて、宿主防御免疫誘導に重要なIL-18産生におけるFas/FasLシグナル系の関与を検討した。マウス腹腔マクロファージを回収し、in vitroでリステリア菌及びBCGを感染させたところ、Fas遺伝子の発現が誘導された。Fas/FasLシグナル系が宿主の防御免疫誘導に関与するか調べるため、野生型及びFasL機能欠損マウスにリステリア菌を感染させたところ、野生型に比べFasL機能欠損マウスで血清中IL-18の低下とともにリステリア菌排除の低下が認められた。さらに、これらのマウスより腹腔細胞を回収し、in vitroでリステリア菌及びBCGを感染させたところ、FasL機能欠損マウスの腹腔細胞でIL-18の産生が低下した。以上のことから、Fas/FasLシグナル系により産生されるIL-18が宿主防御誘導に関与する可能性が示唆された。現在、機能的IL-18産生には、感染細胞の細胞質内で形成されるinflammasomeと、前駆体IL-18の切断に必要なcaspase-1活性化が重要であることが知られているが、Fas/FasLシグナル系によるIL-18産生には、inflammasome形成に重要なASCが必須であるものの、機能的IL-18産生にはcaspase-1以外のcaspaseが関与する可能性が示された。このように、感染宿主におけるFas/FasLシグナル系を介したIL-18産生には、これまでに知られているものとは全く異なる経路が関与することを明らかとした。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Contribution of TIR domain-containing adapter inducing IFN-β-mediated IL-18 release to LPS-induced liver injury in mice2009
Author(s)
Imamura M., Tsutsui H., Yasuda K., Uchiyama R., Yumikura-Futatsugi S, Mitani K., Hayashi S., Akira S., Taniguchi S., Van Rooijen N., Tschopp J., Yamamoto T., Fujimoto J., Nakanishi K.
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Journal Title
Peer Reviewed
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