2008 Fiscal Year Annual Research Report
腸管上皮バリアを破壊するボツリヌスHAの基質分子の探索及び作用機構の解析
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20790336
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松村 拓大 Osaka University, 微生物病研究所, 特任研究員 (00456930)
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Keywords | ボツリヌス / Hemagglutinin / 腸管上皮バリア / tight junction / 細胞接着 / transcytosis |
Research Abstract |
1) ボツリヌス神経毒素複合体の精製 神経毒素複合体(HA)のバリア破壊活性、細胞内traffic機構を解析するために、B型の神経毒素複合体(12S毒素、16S毒素)および無毒成分を大量に精製した。 2) 神経毒素複合体のtraffic経路の解析 1)で得られた、神経毒素複合体および無毒成分を蛍光ラベルし、バリア破壊活性が保持されていることを確認した。transwell培養系を用いて、蛍光ラベルされた神経毒素複合体もしくは無毒成分を細胞apical側もしくはbasolateral側へ添加し、それぞれのtraffic経路をconfocal顕微鏡により観察することに成功した。 3) HA標的分子探索のためのrecombinant HAの発現、大量精製およびバリア破壊活性の確認 標的分子の探索を行うためには多量のHAが必要である。HAはHA1、HA2およびHA3の3つの異なるサブコンポーネントから構成されている。それぞれのサブコンポーネントをrecombinantタンパク質として大腸菌に発現させ調整した。次にrecombinant HA1、HA2、HA3を混合し、再構成させることにより、バリア破壊活性を発現させることに成功した。再構成の効率を高めるため、各サブユニットの混合比、温度、時間などの条件検討を行い、最適な混合条件を決定し、その結果、native HAとほぼ同等の活性を持つrecombinant HAを作製することに成功した。
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